佐々木隆之 教授らの論文が Journal of Nuclear Science and Technology 誌 の Most Popular Article Award を受賞

日本原子力研究開発機構および東北大学と共同で日本原子力学会英文誌(JNST)に発表した論文「Distribution of studtite and metastudtite generated on the surface of U3O8: application of Raman imaging technique to uranium compound」(J. Nucl. Sci. Technol., 58, 629-634, 2021) が、令和5年3月14日にThe Journal of Nuclear Science and Technology Most Popular Article Award 2022を受賞しました。

核燃料デブリの組成は複雑と考えられ、適切に保管や処理・処分していくためには化学的状態を詳細に理解することが重要になると考えられます。これまでに核燃料デブリの主成分である二酸化ウラン(UO2)は水の放射線分解により生成した過酸化水素(H2O2)と化学反応して過酸化ウラニルという変質相を形成することが知られていました。本論文では、核燃料デブリの一部に含まれ得るU3O8からも過酸化ウラニルが生成することを示しました。さらに2種類の過酸化ウラニル(studtiteとmetastudite)の生成がU3O8表面で観測され、これらはお互い独立に生成することが示唆されることを見出しました。本成果および本研究で用いたラマン分光分析法は燃料デブリの化学的状態を今後より深く理解するための一助になると期待されます。

【受賞論文】
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00223131.2020.1854881

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