京都試作ネット見学会

京機会学生会SMILEの運営協力のもと,物理工学科の学生を主な対象として,「京都試作ネット」の見学会が企画されています(2007年現在).以下は2007年度の報告です.

2007年9月19日(水)に京都試作ネット見学会を行った.京都試作ネットとは,京都府南部に立地する機械金属産業十数社からなるグループである.IT を活用しインターネット上で「顧客の思いを素早く形に変える」をコンセプトに,B to B ビジネスのネットワークを構築,試作に特化したソリューション提供を目指している.

スケジュール私たちは,京都試作ネットが高い技術力を保持している事と確固たる経営理念を持っている事に着目し,学生が「現場で用いられている最新の技術・匠の技術を見ることによって,もの作りへの関心を深める」事,「試作ネット加盟企業の経営戦略の取り組みを知ることで,変革の意義を感じる」 事,その二つを目的にこの企画を行った. 当日は,参加者10 名を2 グループに分け,1グループは,薄板金属加工の最上インクス,光造形のクロスエフェクト,精密切削加工の衣川製作所を見学した.二つ目のグループは,メカトロ開発とネットワーキングの秋田製作所,三次元加工とデータサービスの日双工業,アルミのあらゆる超精密加工の山本精工を見学した.

試作ネット見学会は,工場見学と経営者との懇談会の二つで構成されており,現場の技術を生で見る機会と,技術に関する質問,経営に関する質問を行う機会を用意した. 参加学生はみな,今まで知らないような微細な加工,複雑な加工の技術を目の当たりにして驚嘆の声をあげ,まじまじと製品を眺めていた.工場見学中は,製造装置や製造技術について,積極的に社員さんに質問するなど,「ものづくり技術」に対して大変興味をそそられていた. 経営者との懇談会では,「今までの苦労は何ですか?」といった質問から,「中国を筆頭にアジアの企業よりも競争力を高める工夫は?」といった質問まで様々な質問を学生が行い,京都試作ネットへの理解を深めたようである. 終始,和気藹々とした懇談となり,学生側からは,「経営者という事ではじめは緊張していたが,すごく気さくな方ばかりで,話しやすかった」といった声も聞かれた.

試作ネット見学スケジュール  試作ネット見学写真2

以上のことから,本企画の目的である,ものづくりへの関心を深めることに関しては,ある程度の成果をあげることができたのではないかと考えている. これからの課題として,本企画に参加した学生がこの企画から得られたことをどう活かしていけるか,そして,より多くの学生に本企画に参加してもらうにはどうすれば良いかを考え,来年度に役立てる事があげられる.

(SMILE運営委員 長谷川寛晃: 京機短信77号より)